2009/06/23

なんてったってアイドル じゃダメ?

MAZDA New AXELAに搭載されたアイドリング停止機能「i-stop」だけど、これの開発当時の記事こんなのがあったのを思い出した。


なんてったってアイドル

 止まってる間はアイドルをやめ、走り出す時にエンジンをかけ直すアイドリングストップは、燃費を良くする基本ワザとして定着した。「10・15モード」(新燃費測定モード)で使う燃料のうち14%は停車中に燃やしているというから大きい。ハイブリッド車には多くの利点があるのだが、燃費が良いのは実はアイドリングストップのおかげだった…というケースもあるようだ。

 マツダが考えたのは、ハイブリッドのような大げさな機構を使わずに、サラッとアイドリングストップを達成しようというもの。セルモーターすら使わず、エンジン自身の力でエンジンをかける。

 4気筒エンジンを例に説明する。止まった時に圧縮行程にあった気筒に、燃料をちょっとだけ噴射して火をつける。圧縮行程とは言っても、しばらく止めれば空気は抜けて、大気圧まで落ちている。圧縮しないのだから大した力は出ないのだが、それでもちょっとは回る。これが1発目の燃焼だ。

 1発目の燃焼によって、エンジンはいつもと逆方向に回る。写真でいうと赤く見える気筒が下がる。ピストンはクランク軸経由で全部つながっているから、止まった時に膨張行程にあったピストンを押し上げることになる。

 押し上げた力で、ここにあった空気を圧縮する。写真でいうと黄色の気筒だ。圧力はささやかなものだが、そこに火を付ければ1発目より大きな力が出る。2発目の回転方向は普段と同じ。これがセルモータの代わりになる。3発目以降は普通のアイドル回転をする。

 鐘をつく時、押すのでなくまず引っ張る。あれと同じように、まず逆回転させ、次にエイヤッとかけるわけだ。

 段取りを細かく書いていくと、長い時間に感じるかも知れないが、これは0.3秒の間に起こる。セルモーターの半分以下の時間である。ブレーキを踏んだ足をペダルから放し、アクセルを踏んだ時に、もうエンジンはかかっている。つまり普通のアイドリングと全く同じ感覚で使える。

ご利用は計画的に

 始動を成功させるための準備は、エンジンを止める時、既に始まっている。うまく始動させるためには、圧縮行程にあるピストンと膨張行程にあるピストンを、同じくらいの高さにして止めたい。スロットル弁をうまいこと絞りながら回転数を落としていき、狙った所で止める。

 こんな微妙なことは、昔のようにスロットル弁がアクセルペダルと直結していたのではできない。今はスロットル弁を制御装置からモーターで動かすのが普通だから、何とかなる。また「この気筒だけにちょっと燃料を」などという技は普通のエンジンにはできないから、この技術は直噴ガソリンエンジン限定である。

 そういう限定を別とすれば、「スマート アイドリング ストップ システム」は余計な装置なしで実現することが魅力だ。セルモーターもバッテリーも普通のまま。もともとあった回転センサーに手を加え、逆回転しても読めるタイプにしただけだ。「エビでタイを釣っちゃった」という、ちょっとお得な感じがスマートだと思いませんか。
---ここまで

なんでキョン2でCM打たなかったんだろう。

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